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2015年5月31日日曜日

コンテンツの秘密~ぼくがジブリで考えたこと~

株式会社KADOKAWA・DWANGOの会長でもある川上量生氏が、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーに弟子入りして、日々考えていたテーマ「コンテンツとは何か?」についての書籍です。

そもそも、クリエイティブとはなにか?情報量とはなにか?スタジオジブリの経験を通して説明されています。

コンテンツの秘密~ぼくがジブリで考えたこと~


アニメ、CG、実写の比較から、どっちがクリエイティブなのか?情報量は多い方がよいのか?など、普段はあまり考えないことですが、言われてみると、どうなのだろ?と、考えさせられるテーマです。

本文の中で、以下のような定義がありますが、なかなか面白い考えだと思います。

クリエイティブとは

  • 客観的情報量:現実>コンテンツ
    (客観的情報量とは、アニメの線の数からコンピューターの画素数まで、客観的に測れる情報の量)
  • 主観的情報量:現実<コンテンツ
    (主観的情報量とは、人間の脳が認識している情報の量)

アニメは主観的情報量が多く、子供達が好むといったことからも、なんとなく理解できて納得させられます。

また、イケメン・美女の顔は難しいらしく、美しい顔は整った顔のことであり、特徴がない顔とのこと。実際にアニメなどで美しい顔・均整のとれた顔を描くのは難しいみたいです。

最後に、川上氏の考えとして、クリエイティブの本質は、オリジナリティーのパッチワークであり、オリジナリティーとは、以下のパターンで生まれるとのことです。

オリジナリティーとは

  • 脳のビジョンを再現する能力が技術的に不足しているため、偶然に、なにか違うものができてしまう
  • 意図的にでたらめな要素を入れてコンテンツを作る
  • パッチワーク的に、自分がつくっていない要素をパーツとして利用する結果、自分がつくっていない要素が原因で奇跡が生まれる
  • いままでの自分が知っているパターンを切り貼りして、新しい組み合わせのパターンをつくる

結果、オリジナリティーは、本質的にはすべて偶然であるか、もしくは既存のものの見え方を変形したもの。

また、コンテンツとは?といったことに対して、「双方向性のない遊びをメディアに焼き付けたもの」から、コンテンツに双方向性を付加できるPCやゲーム、WEBサービスの登場により、「遊びをメディアに焼き付けたもの」と定義しています。

詳細については、書籍を購入することをオススメします。

ちなみに、宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサー、そして高畑勲監督は、この書籍で改めて分かりましたが偉大ですね。

2013年12月8日日曜日

川上量生の「ルールを変える思考法」

ニコニコ動画で有名なドワンゴ会長の川上量生さんの著書である「ルールを変える思考法」を読んでます。

ルールを変える思考法

ルールを変える思考法

その中で、真のヒットは「説明できないもの」から生まれるといった章があり、

  • 独自性を保つ上では、明快で他社が追随しやすい差別化を行うよりも、何が差別化なのか、ちょっと考えただけでは理解できないものであり続けることが大切。
  • 自分で理解できるものは、他人も理解できる可能性が高い。自分でも分からないものであれば、他人も分かりようがない。
  • 理解できそうで理解できないぎりぎりの境界線上に答えがある。

自分も大学院で研究していた時に、よく担当教官以外の先生から「研究内容が分からない」「言っている意味が分からない」など、散々言われましたが、

担当教官からは「研究とは他人が分かったら意味がない」と励まされ、なんか通じるものがあるかもと共感してしまいました。

本の中でも書いてあることでもありますが、本当にメチャクチャで他人も自分も理解できない考えは、当然、研究でもビジネスでもNGですけどね。