株式会社KADOKAWA・DWANGOの会長でもある川上量生氏が、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーに弟子入りして、日々考えていたテーマ「コンテンツとは何か?」についての書籍です。
そもそも、クリエイティブとはなにか?情報量とはなにか?スタジオジブリの経験を通して説明されています。
コンテンツの秘密~ぼくがジブリで考えたこと~
アニメ、CG、実写の比較から、どっちがクリエイティブなのか?情報量は多い方がよいのか?など、普段はあまり考えないことですが、言われてみると、どうなのだろ?と、考えさせられるテーマです。
本文の中で、以下のような定義がありますが、なかなか面白い考えだと思います。
クリエイティブとは
- 客観的情報量:現実>コンテンツ
(客観的情報量とは、アニメの線の数からコンピューターの画素数まで、客観的に測れる情報の量)
- 主観的情報量:現実<コンテンツ
(主観的情報量とは、人間の脳が認識している情報の量)
アニメは主観的情報量が多く、子供達が好むといったことからも、なんとなく理解できて納得させられます。
また、イケメン・美女の顔は難しいらしく、美しい顔は整った顔のことであり、特徴がない顔とのこと。実際にアニメなどで美しい顔・均整のとれた顔を描くのは難しいみたいです。
最後に、川上氏の考えとして、クリエイティブの本質は、オリジナリティーのパッチワークであり、オリジナリティーとは、以下のパターンで生まれるとのことです。
オリジナリティーとは
- 脳のビジョンを再現する能力が技術的に不足しているため、偶然に、なにか違うものができてしまう
- 意図的にでたらめな要素を入れてコンテンツを作る
- パッチワーク的に、自分がつくっていない要素をパーツとして利用する結果、自分がつくっていない要素が原因で奇跡が生まれる
- いままでの自分が知っているパターンを切り貼りして、新しい組み合わせのパターンをつくる
結果、オリジナリティーは、本質的にはすべて偶然であるか、もしくは既存のものの見え方を変形したもの。
また、コンテンツとは?といったことに対して、「双方向性のない遊びをメディアに焼き付けたもの」から、コンテンツに双方向性を付加できるPCやゲーム、WEBサービスの登場により、「遊びをメディアに焼き付けたもの」と定義しています。
詳細については、書籍を購入することをオススメします。
ちなみに、宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサー、そして高畑勲監督は、この書籍で改めて分かりましたが偉大ですね。